[st-kaiwa2]抗ヒスタミン成分ってよくわからないんですけど。教えてもらえますか?[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]確かに抗ヒスタミン薬は多くの受験者がつまずきやすいポイントですね。[/st-kaiwa1]
- 抗ヒスタミンの「抗」の意味がわからない
- 使用用途が多い
- 理解が難しいこと
- 副作用が多いこと
- 作用と副作用が入れ替わる
[st-kaiwa3]こんにちは!
今回の解説をしているBeken(beken77116525)といいます。
現在ドラッグストアで「店長」と「管理薬剤師」を兼任している現役薬剤師です。
現場経験も30年以上で登録販売者に関しては設立から見てきましたのでリアルな話ができると思います。[/st-kaiwa3]
[st-kaiwa2]うわー。寒気がしてきました。[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]抗ヒスタミン薬は難しいけど頻繁に出題されます。一つひとつ理解して物にして武器にしましょう。[/st-kaiwa1]
「抗ヒスタミン薬」は「自律神経」とあわせてつまずきやすいPOINTです。
3章の勉強を始める前に克服してしまえば気持ちが軽くなりますよ。
医薬品成分の勉強を始めると「あれ?また出てきた」となります。
例えるなら主人公を知らずにドラマやアニメを見るようなものです。
「抗ヒスタミン成分」最初に理解してしまいましょう!
「抗ヒスタミン薬」と併せてつまずきやすいポイントは「自律神経」です。
「抗ヒスタミン薬」が理解できたら「自律神経」も理解してしまいましょう。
抗ヒスタミン薬とは
- 抗ヒスタミンの「抗」の意味がわからない
- 使用用途が多い
- 理解が難しいこと
- 副作用が多いこと
1.抗ヒスタミンの「抗」の意味が分からない
[st-kaiwa2]基本的な質問になりますけど「抗〜薬」っていうのがわかりません。[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]確かに理解しにくいですが一度わかってしまうと便利ですよ。[/st-kaiwa1]
「抗」=「成分の働きを抑える」と考えましょう。
例えば抗ヒスタミン薬ならば「ヒスタミンの働きを抑える薬」の意味で使います。
- 炎症を起こす
- 血管を拡張する働き
ヒスタミンの代表的な働きです。
気道閉塞・蕁麻疹・かゆみ・くしゃみなどの不快な症状の原因となります。
こんな辛い症状を発症させないために「ヒスタミン」が働けないようにするのが坑ヒスタミン薬です。
※「ヒスタミン」の働きはからだにとって悪いことばかりではありませんが「登録販売者試験」の対策としては理解しやすくなります。
2.使用用途が多い
「抗ヒスタミン薬」が難しく感じる原因の2つ目は「たくさんの用途で使われる」です。
「〇〇は風邪薬に使われる成分」「××は目薬に使われる成分」みたいに1成分1用途なら覚えやすいですよね。
ところが抗ヒスタミン薬は「かぜ薬」「鼻炎薬」「目薬」「点鼻薬」。
それ以外にも「皮膚病薬」にも使われています。
[st-kaiwa2]もう勘弁して〜[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]本当ですよね。でも視点を変えれば1つの知識でカバーできる範囲が増やせるってことです。[/st-kaiwa1]
[st-kaiwa2]確かに。早めにおさえてしまえば楽になりそうですね。[/st-kaiwa2]
3.理解が難しいこと
[st-kaiwa2]何を意識したら「抗ヒスタミン薬」の理解しやすいですか?[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]コツは「受容体」の理解ですね。[/st-kaiwa1]
「受容体」はよく鍵穴に例えられます。
鍵穴の形と合った形の鍵に対応して体が反応する仕組みです。
この反応の組み合わせによってひとの体は保たれていますが時々トラブルが発生することがあります。
「花粉症」がその例です。
細胞表面の抗体に「ハウスダスト」や「花粉」などが結合すると「ヒスタミン」が放出されます。
「ヒスタミン」は過剰に分泌されると「ヒスタミンH₁受容体」と結合します。
ドアが開くがごとく「鼻水」「くしゃみ」などの不快な症状が出ます。
[st-kaiwa1 r]「ヒスタミン」が「H1受容体」と結合することで不快なアレルギー症状が発現することが分かりましたね。[/st-kaiwa1]
それでは不快な症状を発現させないためにはどうすればよいでしょうか?
[st-kaiwa2]結合させねければいいんじゃないですか?[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]正解です。「ヒスタミン」が「H1受容体」に結合するのを邪魔してしまえば症状の発生が防げます。 [/st-kaiwa1]
これが「抗ヒスタミン薬」です。
4.副作用が多いこと
[st-kaiwa2]薬は「何に効くか」が重要なんだから覚えるのは効果だけでよくないですか?副作用とか正直混乱します。[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]混乱するのはよくわかります。しかし私たち有資格者に求められていることは「いかに安全に薬を使ってもたえるか」なんです。[/st-kaiwa1]
薬の副作用>>薬の効き目
この観点が非常に大切です。
余談ですが現場に出てからはさらに追加事項があります。
薬の効き目>>会社の利益
「副作用への理解」を深める観点から出題される成分がいくつかあります。
その1つが抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン成分の作用は以下の3つです。
- 「抗ヒスタミン作用」:ヒスタミンの働きを抑制(抑える)する作用。
- 「抗コリン作用」:副交感神経抑制(抑える)作用。
- 「中枢抑制作用」:中枢の働きを抑制(抑える)作用。
1の抗ヒスタミン作用によってアレルギー症状を抑える働きでまだ理解しやすいです。
要注意なのは2の「抗コリン作用」です。
この働きによって排尿困難・口喝・便秘を生じること、緑内障の症状が悪化させるなどの副作用が発
生することがあります。
3の「中枢抑制作用」により眠気を生じるため機械の操作や車の運転に注意を要します。
5.作用と副作用が入れ替わる
[st-kaiwa2]「抗ヒスタミン薬」って一体なんの薬なんですか?ますます混乱してきました。[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa1 r]混乱しますよね。目的の作用以外が「副作用」です。「抗ヒスタミン薬」が頻出される理由には3つの作用ごとに使われるからですね。[/st-kaiwa1]
登録販売者の試験範囲で理解しておきたいのが「作用」・「副作用」です。
- かぜ薬・点眼薬・点鼻薬の作用:「抗ヒスタミン作用」
- 催眠鎮静薬の作用:「中枢抑制作用」
- 鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)の作用:「抗コリン作用」「中枢抑制作用」
抗ヒスタミン成分=アレルギー症状を抑える薬という理解では不十分です。
「登録販売者試験」では薬の「作用」はもちろんですが「副作用」も重要視されます。
ところが「作用」と「副作用」は状況によって変化します。
はじめに1〜3の作用を覚えて「作用」「副作用」が何なのかまで理解を深めましょう。
まとめ
「抗ヒスタミン薬」は非常に面倒ですね?
でも初めに理解してしまえば得意分野にできますよ。
いろんな医薬品を横断して出てくるのであらかじめ整理しておきたいですね。
医薬品では「抗~薬」とか「~拮抗薬」「~阻害薬」など独特の表現が多く用いられます。
見落とすと逆の意味になるので注意が必要です。
ひっかけ問題だと言う方もおりますが単純に見慣れていないだけかもしれません。
過去問を反射神経で説いている方も多いですがしっかりと押さえておきたいポイントです。
「作用」・「副作用」の観点も大切です。
「登録販売者」と「薬剤師」が販売して良い医薬品の制限にリスク分類がありますよね?
リスク分類という医薬品の分類方法は「登録販売者制度」とともに作られた考え方です。
何に効く薬なのかも重要ですが、副作用の発生リスクによって登録販売者が販売できる医薬品の範囲を制限しています。
ややこしい副作用が多い医薬品ほど登録販売者試験での重要度が高いと考えて備えましょう!
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