

「登録販売者」について調べようとすると「登録販売士〇〇」と出てくることがよくあります。
単なる打ち間違いや予測変換なら良いですが「同一の資格」と勘違いしていると一大事です。
登録販売者は「医薬品の販売にかかわる資格」で実務経験を積めば就職・転職に有利。
一方、販売士は「商品の開発・仕入・販売・物流の知識に関わる資格」で業績アップや昇給といったスキルアップに役立ちます。
資格の名前以外にも販売に関わる資格という共通点もあり勘違いしやすいですね。

今回の解説をしているBeken(beken77116525)といいます。
現在ドラッグストアで「店長」と「管理薬剤師」を兼任している現役薬剤師です。
現場経験も30年以上で登録販売者に関しては設立から見てきましたのでリアルな話ができると思います。ちなみにわたし自身も販売士2級を取得しています。
登録販売者制度が始まる前からドラッグストアに勤務しているので現場の状況についても詳しい方です。それでは改めて「登録販売者」と「販売士」の違いについて解説します。
登録販売者資格とは

一般医薬品を販売するための資格です。
一般医薬品のうち第2類医薬品・第3類医薬品の販売ができます。
※資格取得後に実務経験が必要です。
試験科目

①「医薬品に共通する特性と基本的な知識」
②「人体の働きと医薬品」
③「主な医薬品とその作用」
④「薬事関連法規・制度」
⑤「医薬品の適正使用・安全対策」
登録販売者資格取得のメリット
・受験資格がない
・比較的取得しやすい
・就職・転職に有利
・手当がつく
・安定した収入が見込める
受験資格がない
登録販売者試験には受験資格が設けられていません。
社会人や主婦・学生どなたでも受験できる試験です。


薬剤師不足を解消するために一般医薬品を部分的に販売できることを目的に開設された資格です。
開設当初は即戦力を必要とするため実務経験などの受験資格がありましが現在は年齢・学歴不問です。
比較的取得しやすい


真剣に取り組めば半年〜1年で取得可能な資格です。
ただし年々何度が上がってきているので情報収集を怠ってはいけません。
また複数箇所での受験が難しい状況にありますので最新情報に注意しましょう。
転職・就職に有利
医薬品を販売するためには薬剤師もしくは登録販売者の有資格者が必須です。
一般医薬品を販売するドラッグストアなどへの就職・転職には優遇されます。
手当が付く
企業により金額は異なりますが手当がつきます。
安定した収入が見込める
特にパートで働く時に希望よりも短い時間しか働けない人も多いです。
登録販売者は資格取得後も毎月80時間の実務経験が必要なので安定した収入を見込んだ働き方ができます。
登録販売者資格取得のデメリット

・責任を伴う
・扶養控除の範囲で働くことが難しいです。
・人とのコミュニケーションが求められる
・勉強が嫌いな方には向きません。
責任を伴う
人の健康に関わる仕事です。
自らが行ったアドバイスには責任を伴います。
扶養の範囲内で働くのが難しい
メリット感じるかデメリットと感じるか別れるところです。
医薬品の販売時間、実務経験の時間を確保するため不要範囲で働くことは難しいかもしれません。
人とのコミュニケーションが求められる
当然ではありますが症状を聞き出したり説明したりが必須です。
人とのコミュニケーションが苦痛と感じる人には向いていません。
勉強が嫌いな人には向かない
資格取得後も外部研修が義務化されていたり日々新商品も追加されます。
日常的な勉強が必須です。


販売士(リテールマーケティング)とは

業種・業態を問わず販売にかかわる方であれば役立つ知識を身に着けることが可能です。

①「小売業の類型」
②「マーチャンダイジング、」
③「ストアオペレーション」
④「マーケティング」
⑤「販売・経営管理」
販売経験の有無にもよりますが「登録販売者試験」と比較すると聞きなれない成分名など出て来ないので取り組みやすいでしょう。
販売士資格取得のメリット
・受験資格がない
・年に2回試験がある
・販売全般で資格を活かせる
・キャリアアップに役立つ
・ローカルルールに惑わされない
受験資格がない
登録販売者と同様に受験資格がありあせん。
誰でも受験可能です。


年に2回試験がある
登録販売者試験は年に1回実施ですが販売士試験は年に2回行われます。
勉強の進捗にあわせて受験可能です。
販売全般で資格が活かせる
登録販売者は薬を販売するための資格なので活躍の範囲が薬業界に絞られます。
対して販売士は販売の仕事に共通して役立つ知識を学ぶことができる資格です。
キャリアアップに役立つ
近頃は教育に時間を割く企業が減少傾向にあります。
販売の基礎を理解できれば昇給・昇進のキャリアアップのチャンスが生まれます。
ローカルルールに惑わされない
販売の仕事には企業ごとのローカルルールが多く存在します。
正しい知識を身に着つければ正しい選択が可能です。
販売士資格取得のデメリット

・給料に直結しない
・就職・転職への影響度が少ない
・高校生の受験者が多い
給料に直結しない
残念なお知らせですが資格を取得しただけで給料が上がることはまれです。
ただし企業によっては昇格・昇進の要件に含まれているケースはたまに目にします。


就職・転職への影響が少ない
待っていてマイナスになることはありませんが有利に働く機会も少なめです。
高校生の受験者が多い
商業高校の学生さんがまとまって受けることあります。
このこと自体全く問題ありませんが社会人限定で受験の際に緊張度が増すので要注意です。

まとめ
登録販売者は一般医薬品の一部が販売できる資格。
販売士は販売全般の知識を身につける資格でした。
どちらも販売の場面で必要な資格で名前も似ているので勘違いしないように注意して下さい。
ただし登録販売者取得を目指している人にとっても販売の基本を知っておくことは大切です。
登録販売者取得後のステップアップとして取り組んでみるのもおすすめですよ
やりがいを持って販売に取り組みたいですね!